夢へ、もう一歩。

夢へ、もう一歩。

F1 Academy Rookie Test ― スペインで挑んだ、新たなステージ。

KYOJO CUP Rd.3を終えた翌日の早朝、RAYSアンバサダー・松井沙麗選手が向かったのはスペイン。

待っていたのは、Williams F1 Teamのもとで挑む「F1 Academy Rookie Test」という新たな舞台でした。

世界各国から集まったドライバーたちとともに過ごす3日間。メディアトレーニングや座学、そして実車での走行まで、これまでとは異なる環境の中で多くのことを吸収する機会となりました。

初めてのサーキット、初めてのマシン。そして限られたアタックチャンス。

そのすべてに向き合いながら、松井選手は世界を相手に自身の可能性を試しました。

本記事では、松井沙麗選手本人から届けられたレポートをもとに、F1 Academy Rookie Testへの挑戦を振り返ります。


世界で戦うために。走るだけではない3日間。

テストは計3日間。

最初の2日間には、コースウォークやメディアトレーニング、座学など、普段のレース活動ではなかなか経験することのできないプログラムが組まれていました。

初日のコースウォークでは、エンジニアとともに実際のコースを歩き、重要となるコーナーや注意すべきポイントを一つひとつ確認。

その後に行われたメディアトレーニングでは、実際のインタビューを想定し、英語での受け答えにも挑みました。

久しぶりの英語でのインタビューに、最初は不安もあったという松井選手。それでも終了後には、多くの関係者から嬉しい言葉が届きました。

「英語が上手になったね。」

世界で戦うドライバーに求められるのは、マシンを速く走らせる技術だけではありません。

自分の考えを伝えること。チームやエンジニアとコミュニケーションを取ること。そして、多くの人の前で自分自身を表現すること。

座学では、実際のF1 Academyのレギュレーションや栄養学についても学びました。

走るための準備から、ひとりのドライバーとして必要な知識まで。

世界の舞台を目指すために必要なものを、さまざまな角度から吸収する2日間となりました。


初めてのコース、限られた周回。その中でどこまで速くなれるか。

2日間のプログラムを終え、いよいよ迎えた走行日。

走行時間は午前3時間、午後3時間。

松井選手にとっては未経験のサーキットで、この日が初走行。一方、周囲のドライバーたちは全員が事前練習を経験しており、その多くがヨーロッパでF4に参戦するドライバーたちでした。

経験という部分では、大きな差がある。

それは松井選手自身も理解していました。

だからこそ、胸にあったのはひとつの思い。

「ここで周りに負けないタイムを出すことができれば、私の評価は上がる。」

初めてだから仕方がない、では終わらせない。

世界の舞台で自分がどこまで戦えるのか。全力で挑む一日が始まりました。

しかし、実際に走行が始まると、その難しさをすぐに実感することになります。

基本となる走行プログラムは、アウトラップ、ウォームアップ2周、アタック3周、クールダウンを挟み、再びアタック2周。

タイムアタックに使える周回は、決して多くありません。

初めて走るコース。

初めて乗るマシン。

そして、初めて使うタイヤ。

限られた周回の中で、そのすべてを理解しながらタイムを出さなければなりません。

新品タイヤでの走行も行いましたが、タイヤの特性を完全には掴みきれず、コースとマシンへの適応にも時間を要しました。

午前のセッションは11番手。

走行を終えると、すぐにデータを確認します。

どのコーナーで差が生まれているのか。ブレーキングポイントはどこなのか。踏力はどうか。ステアリングの舵角はどうか。

エンジニアとともに細部まで分析し、午後の走行へ向けて一つひとつ修正していきました。


11番手から5番手へ。一日の中で見せた進化。

迎えた午後のセッション。

午前中に確認したデータを頭に入れ、松井選手は再びコースへ向かいます。

その変化は、走り始めてすぐに現れました。

1本目の走行中、無線からエンジニアの声が届きます。

「午前中と比べて格段に良くなっている。」

午前中に見つけた課題を、その日のうちに修正する。

そして2本目では新品タイヤを装着し、再びアタックへ。

午後は路面温度が上昇し、多くのドライバーが午前中よりもタイムを落とす難しいコンディションとなりました。

それでも松井選手は、午前中の自己ベストを0.2秒更新。

さらにセクター単位では、全体のファステストタイムを記録する場面もありました。

走行を終えるたびにデータを確認し、次の走行へ反映する。その後の中古タイヤでの走行でも、さらにタイムを更新しました。

最終的に午後のセッションは5番手。

午前の11番手から、大きく順位を上げました。

初めてのサーキット、初めてのマシン。周囲には事前練習を積み、ヨーロッパのF4で実戦経験を重ねるドライバーたちがいる。

その環境で、一日の中でも学び、修正し、速くなる。

厳しいコンディションの中で自己ベストを更新した走りは、今回のオペレーションを担当したART GPのチームやエンジニア、Williams F1 Teamの育成担当ディレクターからも高い評価を受けました。


「初めて」を越えて、夢へもう一歩。

今回のF1 Academy Rookie Testで得たものは、5番手というタイムだけではありません。

松井選手がドライビング面で意識したのは、これまで以上にアグレッシブに攻めることでした。

「コースオフやクラッシュを恐れすぎずに、いつも以上に攻めたアグレッシブな走りができました。」

F1 AcademyはF1と併催されるカテゴリーであり、走行時間は限られ、市街地コースで行われるレースも多くあります。

十分な時間をかけてコースやマシンに慣れてから勝負できるとは限りません。

初めてのコース。

初めてのマシン。

限られた走行時間。

そうした“初めて”の壁に直面したとき、どれだけ早く理解し、適応し、自分の速さを引き出せるのか。

今回のテストは、まさにその力を磨く機会となりました。

「再びヨーロッパの舞台に戻り、夢に一歩近づけたことを本当に嬉しく思います。」

KYOJO CUP Rd.3を終え、その翌日にはスペインへ。

国内で積み重ねてきた経験を世界の舞台で試し、そこで得た新たな経験を、今度は次のレースへ持ち帰る。

一つひとつの挑戦が、次の一歩へとつながっていきます。

そして松井選手の視線は、すでに次のKYOJO CUPへ。

「この経験を生かして次回のKYOJO CUPでは皆様に良い結果報告ができますよう、レースまでの期間も全力で努めてまいります。」

再び立ったヨーロッパの舞台。

そこで得た経験を、次の速さへ。

そして、その先にある夢へ。

RAYSはこれからもアンバサダー・松井沙麗選手の挑戦を支え、その歩みをともに応援していきます。

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